Fairy
黙ったままの私に、彼は、フフッと笑う。
そして、血だらけの手で、私の髪をそっと撫でた。
『 どっちみち、君のことはもう帰せない。 』
笑顔のまま衝撃的な言葉を吐く彼の、柔らかい笑顔にとてつもない恐怖を感じた。
…私、このまま殺されちゃうのかな。
人を殺している所を見られたら、そんなもの、絶対に殺されてしまう。
私は彼に髪を撫でられたまま、彼から目を離せずに、ただその場に立ち尽くしていた。