Fairy
ご飯を食べながら、いつお礼を言おうかと狂盛さんを見ていると、狂盛さんは無表情のまま『 何?』と聞いてくる。
見られてたの、気づかれてたのかな…。なんて思いながら、私は小さく口を開いた。
「 あの…荷物、ありがとうございました。 」
『 どういたしまして。 』
意外と思っていたよりも柔らかく返され、少しほっとする。
会話が終わったと思って安心していると、狂盛さんは再び口を開いた。
『 君、ストーカー被害に遭ってるんだね。 』
その言葉に心臓が嫌な音を立てて、じわりと体が冷たくなるのを感じた。
その言葉に晴雷さんは私を見て、游鬼さんは『 ストーカー? 』と聞き返す。
もしかしたら、私の家に行った時…ドアノブのあれ、見たのかな。
色々考えてなにも言えないままでいると、狂盛さんはその冷たい声で、そのまま話を続けた。
『 はい。僕が行った時、ドアノブに使用済みの避妊道具が付けられてました。それに、君は知らないと思うけど、タンスが漁られてて下着が見当たらなかったから。そのストーカーに盗られたんじゃない? 』
サラサラと並べられるその言葉を、晴雷さんと游鬼さんも顔色を変えないまま聞いていた。
晴雷さんは『 そういえば昨日、家に帰ってないって言ってたね。 』と思い出したように言う。
……下着が、盗まれてた…?
その言葉に、どんどん手が震え始めるのが分かる。
すると狂盛さんは、そんな私を見て『 大丈夫、買っておいたから。 』と無表情のまま言った。買ったって…下着を?
そう思って狂盛さんを見つめ返すと、隣にいた游鬼さんが口を開く。
『 見た感じサイズはCの70でしょ?だから俺が買ってきたの。ちなみに柄は俺好み〜。 』
ニコニコしながらそう言ってるけど、サイズは見事に的中していた。