Fairy
でも、その扉の前には、二人のガタイのいい男達が立ち尽くしている。
入れるはずがない、こんな男達に無事で帰されるわけがない。そう思ったのもつかの間、一瞬にしてその男達は地面に力なく倒れてしまったのだ。
「 …え? 」
情けなく漏れた声は、誰の耳にも届かない。
震えた目で男性を見ると、彼は倒れた男の服の中から鍵らしきものを取り出した。それを扉の鍵穴に差し込み、いとも簡単に扉を開けてしまう。
そのまま私と手を乱暴に掴み、私を部屋に押し込んだ。
そのせいで床に倒れ込むと、ガチャリと鍵のかかる音と共に、男性も部屋の中に入ってきている。
「 い、一体…なんなんですか…? 」
私が立ち上がりながらそう問うと、男性はフッと乾いた笑いを漏らす。その声は、先程よりも低く感じた。
そして首の当たりに手をかけ、皮膚をビリビリと捲り始めた。
最初は驚いて目を逸らしてしまったものの、それが彼の皮膚ではないことが分かる。
彼が捲っているものは、彼の本当の顔を隠すただの " 仮面 " だったんだと。
「 ………貴方、 」
パサッと音を立てて床に落ちる、ペシャリと潰れる男性の顔。
真っ白な髪が顕になり、鋭い目が私を捉えた。
そう。そこに居たのは…、
『 よう、紅苺。お前が探してんのは俺だろ? 』
孤独な殺し屋、桜翅 心だった。
入れるはずがない、こんな男達に無事で帰されるわけがない。そう思ったのもつかの間、一瞬にしてその男達は地面に力なく倒れてしまったのだ。
「 …え? 」
情けなく漏れた声は、誰の耳にも届かない。
震えた目で男性を見ると、彼は倒れた男の服の中から鍵らしきものを取り出した。それを扉の鍵穴に差し込み、いとも簡単に扉を開けてしまう。
そのまま私と手を乱暴に掴み、私を部屋に押し込んだ。
そのせいで床に倒れ込むと、ガチャリと鍵のかかる音と共に、男性も部屋の中に入ってきている。
「 い、一体…なんなんですか…? 」
私が立ち上がりながらそう問うと、男性はフッと乾いた笑いを漏らす。その声は、先程よりも低く感じた。
そして首の当たりに手をかけ、皮膚をビリビリと捲り始めた。
最初は驚いて目を逸らしてしまったものの、それが彼の皮膚ではないことが分かる。
彼が捲っているものは、彼の本当の顔を隠すただの " 仮面 " だったんだと。
「 ………貴方、 」
パサッと音を立てて床に落ちる、ペシャリと潰れる男性の顔。
真っ白な髪が顕になり、鋭い目が私を捉えた。
そう。そこに居たのは…、
『 よう、紅苺。お前が探してんのは俺だろ? 』
孤独な殺し屋、桜翅 心だった。