終着駅は愛する彼の腕の中
7 8年目の真相が今ここに

 羽弥斗は今日は仕事の帰りに、幸弥のところに寄った。


「こんばんわ」

 羽弥斗が訪ねてくると
 

 バーン! とおもちゃの銃声が聞こえた。


「やーい! 僕の勝ちだね」


 おもちゃの銃を持って現れたのは、幸弥の子供の優弥。

 
 幼稚園の年中さんでやんちゃ盛り。


 幸弥に目元が似ている、やんちゃで可愛い男の子。



「こら、優弥なにしてんのよ」


 後ろから来たのは娘の涼子。


 高校生になったばかりの優しいお姉ちゃん。



「だって、羽弥斗おじちゃんが来たから。警察ごっこやったの」


「あ、いらっしゃい」



「こんばんは、お父さんは? 」


「リビングにいるよ」


「そっか、邪魔します」




 二階へ向かう羽弥斗の後ろを、優弥はおもしろがって、おもちゃの銃で攻撃している。





 リビングに来ると


「ちょっと、くすぐったいから止めてって」


 幸弥が妻の心優をからかって遊んでいた。


 羽弥斗は思わずキョンとなった。


「おっ、羽弥斗いらっしゃい」


 心優はハッとして羽弥斗を見て挨拶をした。

「あ、こんばんは」


 爽やかなショートヘヤーの心優。

 幸弥と1歳しか違わないが、とても若々しく時々20代に間違えられるくらいである。



「幸弥兄さん、相変わらず仲いいんだね」


 そう言われると心優は恥ずかしそうに目を反らした。


「仲いいのは当たり前。愛し合っているんだから」

「はいはい、で。れいの物なんだけど」

「ああ、来ているよ」


 
 幸弥は羽弥斗と一緒に自分の部屋に向かった。

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