ベリムズ~お笑いも恋も~
○深山の部屋(朝)
   笑と深山、ソファで寝ている。
   笑が起きる。
笑「あれ?」
   笑、横で寝ている深山に気づき慌てる。
笑「!」
   笑、手で口を押える。
   深山とお笑いDVDを見て夜更かししていた回想。
笑N「そうだったあ! 昨日から深山さんとお笑いDVD見まくってたんだ」
   笑、苦笑い。
笑N「いつの間にか寝落ちしてしまった……けど」
   笑、深山の寝顔を見る。
笑N「流石モデルさんやるだけあって、顔整ってるなあ」
   深山、起きる。
   笑、慌てて離れる。
深山「笑さん……?」
笑「わあー!!」
深山「? おはよう?」
笑「おはようございます」
   紙を確認する。
深山「寝落ちしちゃったけど、参考になりそうなとこいっぱい書けたね」
笑「そうですね! この中から『ベリムズ』と相性が良さそうな物を抜き出し
 ていきましょう」
深山「うん。でも笑さん、そこまで手伝って平気? 仕事とか」
笑「仕事は夜のシフトなので平気です!」
深山「じゃあお風呂入れるから、入ってきなよ。昨日の格好そのままで気持ち
 悪いでしょ」
笑「あっじゃあ(ハッとする))
   笑、固まる。
笑N「いっしょに夜を明かした仲とは言え、出会って2日の男の家でお風呂に
 入るのは人間としてどう? ずうずうしくない?」
深山「笑さん?」
笑N「替えの下着無いし、シャンプー使いすぎて後から引かれたくないし、家
 ではあまり気にしてない排水口の髪の毛も取らなきゃ……」
深山「笑さん?」
   笑、手で制す。
笑「私、帰ります! 何かあれば連絡ください! 私も何かあれば連絡します!」
深山「えっ」
   笑、慌てて部屋を出る。

○マンションの前の廊下(朝)
   早歩きの笑、歩を止める。
笑「危なかったあ」
   息を整える。
笑N「アドバイス頼まれたからには、と思って気使いすぎた? 変に思われて
 ないかな」
   指田、物陰にいる。
指田「笑ちゃんおはようー」
笑「わー!」
   笑、指田と距離を取る。
笑「なんで指田さんそんなところに! 忍者ですか?!」
指田「おはようって言ったんだから、おはようでしょー」
笑「おはようございます」
   指田、笑顔。
指田「うん。じゃあ俺と朝お茶しよ」

○喫茶店
   笑と指田、向かい合いって座っている。
指田「パンケーキセット、コーヒーでお願いしまーす」
店員「はい」
指田「笑ちゃんは?」
笑「私は、じゃあ同じので」
笑N「2日連続同じ店きつい! 服も同じだし!」
指田「それで以上です」
店員「かしこまりました。お待ちください」
   笑、気まずそうに縮こまってる。
指田「もしかして笑ちゃん。昨日も来た?」
笑「実は……」
指田「柄くんこのお店好きだからね」
笑「(少し前のめりに)そうなんですか」
指田「柄くん落ち着いてる雰囲気好きだからね」
   指田、窓の外を見る。
指田「だから、『お笑いやりたい』って言い出したとき、驚いたんだよね」
笑「(黙って聞いている)」
指田「たしかに人当たりは良い人だけど、お笑いみたいなギャーギャーうるさ
 いタイプではないし。ほんと血迷ってるよ」
笑「それは違うと思います」
指田「(ムッとして)なにが違うの。柄くんと付き合い長いの俺なんだけど?」
笑「あっ、そっちじゃないです」
指田「んんー?」
笑「お笑いが、ギャーギャーうるさい、のが違うと言ったんです」
   笑、手振り身振りつけて語り出す。
笑「芸人さんは声は張りますが、ただうるさいだけじゃないんです。喜怒哀楽、
 いろいろな感情を笑いに変えるために、日々努力しています」
指田「でも笑ちゃん、芸人さんじゃないよね? 芸人のことなんて予想でしか、」
笑「いーえ! 私芸人さんのこと大好きで、ネタだけでなくて、掲載されてい
 る書籍などもチェックしています! 『ここまでの道のり』的な話のときっ
 てすごく熱い話がてんこもりで」
指田「(呆然としている)」
店員「ご注文のパンケーキセット、お持ちしました」
笑「あっ、ありがとうございます」
店員「ごゆっくりどうぞー」
笑「すみません熱くなっちゃって」
指田「もっと話してよ」
笑「え?」
指田「笑ちゃんのお話、俺もっと聞きたいな」
   笑と指田、パンケーキを食べながら話始める。
笑「えっと……じゃあ、この前のお笑いライブに行ったときの話なんですけど」

○喫茶店・外
   笑と指田、喫茶店から出てくる。
笑「お茶代、おごってくださってありがとうございます」
指田「誘ったの俺だし気にしないでー」
笑「気づいたら私ばかり話してて……」
指田「熱かったねー」
笑「う(恥ずかしい)」
指田「じゃあ俺これから仕事だから」
笑「そうだったんですか? 頑張ってくださいね」
指田「(無言。手を振って歩き出す)」
   笑、指田の背中に手を振る。
笑N「なんか」
笑N・指田N「悪い人ではなさそう」

○漫画喫茶(笑のアルバイト先)(夜)
   壁掛け時計の時刻、二時。
   笑、本棚の整理をしている。
笑N「バイトはめっちゃ日常~」
   笑、深山と指田のこと思い出す。
笑N「いつも舞台の上で見てた人たちと接点できるとはなあ」
笑N「ただのファンだけど、頼られたからには力になりたいけど」
   本棚に逆さまに入っている本がある。
笑N「あっ、本逆さま」
   笑、本を直す。
笑N「よくいるよねー、本を逆にする人……」
笑N「ん? 逆?」
   店長、笑に声かける。
店長「早坂さん、本棚終わったら空きブースの掃除お願いね」
笑「はーい」

○漫画喫茶(朝)
   笑、受付をしている。
   店員の佐々山祥子(20)が来る。
祥子「ショウさん、交代の時間です」
笑「了解です。あとお願いします」
   笑、ロッカールームに行く。
笑N「もう交代の時間かあ、はや……」
笑N「逆……交代……」
   笑、笑顔で叫ぶ。
笑「これだー!」
店長「ちょっと早坂さん! 静かに!」
笑「すみません! お先失礼します!」
   笑、携帯を取り出して深山に電話をかける。
笑「あっもしもし、深山さんですか?」
   深山、起きぬけ。
深山「笑さん? なんでこんな朝早くに」
笑「すみません、でも見つけたんです」
深山「見つけたって、なにを?」
   笑、楽しそうに言う。
笑「ボケとツッコミを、入れ替えるんです!」
深山「……ん?」
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