甘やかされ婚~年上の旦那様は、獣な本性を隠している~
あの時、ほとんど投げやりになって、そう口走った蓮君――。
「『じゃあ』で、結婚って……」
私は、しゅんとしてうなだれた。
トーストを持つ手にも力が入らない。
ボテッとお皿に落としてしまってから、私は落ち込んで俯いた。
それを見て、祥子が慌てた様子で、「あ、あ!」と声を張る。
「でもさ。旦那様、その後ちゃんと、改めてプロポーズしてくれたんでしょ?」
取ってつけたような明るい口調で、そう続ける。
「お互いの両親の策略に嵌ったのがきっかけでも、ちゃんと、本当に結婚しようって言ってくれたのは、旦那様も真由のこと好きで、大事だからでしょうに」
「蓮君が私を『好き』で『大事』なのは、子供の頃から。大人になっても、結婚しても、な~んにも変わらない」
祥子は、私を奮い立たせようとしてくれている。
それはわかっているけど、ついつい揚げ足を取ってしまうくらい、私の気持ちも追い込まれていた。
さすがに彼女も、それ以上どう慰めていいのかわからない様子で、言葉に詰まってしまう。
「蓮君の中では、結婚しても私は『妹みたいな幼馴染』のまま。『妻』じゃないから、過保護に甘やかすだけなんだよね……」
私は左手の結婚指輪を見据えながら、声に出して溜め息をつき、ぼんやりとテーブルに頬杖をついた。
「『じゃあ』で、結婚って……」
私は、しゅんとしてうなだれた。
トーストを持つ手にも力が入らない。
ボテッとお皿に落としてしまってから、私は落ち込んで俯いた。
それを見て、祥子が慌てた様子で、「あ、あ!」と声を張る。
「でもさ。旦那様、その後ちゃんと、改めてプロポーズしてくれたんでしょ?」
取ってつけたような明るい口調で、そう続ける。
「お互いの両親の策略に嵌ったのがきっかけでも、ちゃんと、本当に結婚しようって言ってくれたのは、旦那様も真由のこと好きで、大事だからでしょうに」
「蓮君が私を『好き』で『大事』なのは、子供の頃から。大人になっても、結婚しても、な~んにも変わらない」
祥子は、私を奮い立たせようとしてくれている。
それはわかっているけど、ついつい揚げ足を取ってしまうくらい、私の気持ちも追い込まれていた。
さすがに彼女も、それ以上どう慰めていいのかわからない様子で、言葉に詰まってしまう。
「蓮君の中では、結婚しても私は『妹みたいな幼馴染』のまま。『妻』じゃないから、過保護に甘やかすだけなんだよね……」
私は左手の結婚指輪を見据えながら、声に出して溜め息をつき、ぼんやりとテーブルに頬杖をついた。