寡黙なダーリンの秘めた愛情
由利亜の悪行は蓮の想像以上だった。

話を聞いたスタッフによると、

蓮と由利亜は知り合った時から付き合い始め、それも結婚前提だったという。

贈ったこともない指輪やバッグは毎年、蓮から由利亜に贈られたことになっており、

蓮がたまたま由利亜と並んで歩くことになった日は、夜や週末のデートの打ち合わせをしていたという話に変換された。

さらには、

美咲との慌ただしい結婚も、社長の妻という座に執着した会長の孫娘が言い出した我が儘に、蓮と由利亜が犠牲になり、泣く泣く形だけの政略結婚を受容した。それでも愛し合う蓮と由利亜の関係は、今でも続いている

...というものだった。

そんな馬鹿げた話を信じていない者が大半だったが、中には信じていたという者もいて怒りが込み上げた。

間抜けな蓮には、そんな噂は聞こえていなかったが、美咲の耳には届いていたのかと思うと辛くて悔しくて堪らない。

「ありがとう。正直に話してくれて」

職員の話を聞いていて、思わぬ拾い物の情報も得ることができた。

多少危険が伴うかもしれないが、美咲のことは蓮がしっかりガードすれば大丈夫だろう。

さすがの由利亜でも、会長の゛生まれてくる曾孫゛にまで手をだす愚か者ではないだろうから。

蓮は不本意ながらも、思わぬ拾い物の方の情報を増やすために、しばらく由利亜とその取り巻きを泳がすことに決めた。
< 50 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop