溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
愛しき人(亮side)
誤解が解けて心底、ホッとした。

腕の中で眠る彼女を感じるとじわじわと安心感が戻ってくる。

マックスから言われるまでのん気にメールしていたオレはほんと馬鹿だった。
分かっていたはずだ。
彼女は人を責めたりしない。
自分を先に戒めるんだ。

だからって、俺から離れるという選択が俺の幸せには絶対にならないということを
彼女は全然分かっていない。
誰が離してやるか。
これからイヤというほど理解してもらうよ。
そう、心に誓い、彼女の髪を撫でた。


こうやって、問題を乗り越えながら絆が深くなるのはいいけど。
他人に引っ掻き回されるのは我慢出来ない。
あのお嬢さんにはしっかりと分からせないとな。


眠っている彼女を起こさないように、夕食の準備をした。
数日会わないだけで少し痩せていた。
オペ前に貧血にでもなったら大変だ。
市販のカレールーがあったので、適当に材料を切って煮込んだ。
サラダと、白米セット。
これでいつでも食べられる。
今日は思いっきり甘やかそう。いや、オレが甘えたいだけだな。

マックスへも仲直りメールを送った。なんだかんだであいつのおかげだ。

”次はないぞ。“一言返事がきた。お兄様は手強いな。

”わかってる“ そう返事をした。
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