溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
愛しき人(玲奈side)
夕方の早い時間から、愛を確かめあった私達はより一層愛しさが増した。

体力の限界で眠っていた私も美味しそうな匂いで目が覚めるなんて、
単純な女だ。
キッチンでエプロン姿で立っている彼は爽やかで、たった今までの寝ぼけ顔の
私は急にはずかしくなった。

「ちょうどお腹すく頃だろ。亮ちゃん特製チキンカレー。適当に材料使ったよ。」

「いい匂い。へへ、ありがとう。うれし。」

彼の気づかいに涙が出そう。

「ほら、お腹減ってるなら食べよう。体力落とさないように、大事なオペ前だろ。」

「うん、顔洗ってくる。」

二人で食べたカレーは辛口で、思った以上に辛くて、でもとても美味しかった。



「オペ準備は順調なの?」

「兄達も来て、チームの話もスムーズになったし、母も入院したから今のところ予定通り。
父も術式のシュミレーションにOKだしてるし、母の体力とよっぽどのことがなければ。

ただこの術式は世界で五例しかなくて、セイヤは今まで一例成功させただけ。
かなり難しいオペなの。母は高齢だしね。」

「そうか。信じてる。最強3兄妹だろ、君たちは。」
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