溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
二人のやり取りで、玲奈は最近おれの母、小夜子に華道を教えているらしい。

元々は玲奈の母に習っていたが、休暇中で家元から代わりに指名されたのが玲奈だった。

「紫暁(しきょう)先生の娘さんだったんですか。お弟子さんだとは思ってたけど」

「まさか、小夜子さんが亮さんのお母様だなんて。ほんとびっくりですね。」

「うちのバカ息子の彼女なんてうれしいわ。紫奏先生じゃない、玲奈さんこれからも
よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。うふふ。わたしもうれしいです。小夜子さん。」


すっかり意気投合の二人。
親父も玲奈の人当たりの良さと妻と仲良くしている姿に大満足だった。
あとできくと、母が俺に紹介したい女性は華道の先生の玲奈だったらしい。
女性陣で普段食事に行ったりもしていたようで、人となりを気に入っていたようだ。
まさか、医師の三上教授の家族とは思っていなかったようだけど。

兄家族とも会って、一緒に食事をして和やかな食事会だった。
義姉の洋服を借りたことの縁もあり、グッと仲良くなっていたし
女性3人で食事会しようとかで盛り上がっていた。

小児外科医なだけにチビッコの相手も上手い。
玲奈と俺の子を想像して、ニヤけるとコソっと兄貴に言われた。

「早いとこ、囲い込まないと、あの子はモテるぞ」

「分かってるよ。」

外堀り作戦とりあえず大成功の夜だった。
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