溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
こんな日常の私たち。

いつまでこんな日々が続けられる。
幸せを感じれば、急に不安がふとした瞬間に顔を出す。

今夜はうちで過ごす。
あちこちの彼の痕跡。
飾った家族写真には彼とのデートの時の写真が加わった。
お揃いのカップや洗面所の歯ブラシ。
デートで見つけたお揃いのパジャマ。

この上なく幸せなくせして、急に不安に駆られる。


最近はスウェーデンから連絡が多い。
私の担当患者の容体があまり良くないようだ。再オペの話が出ていて、
戻ってこないかという話。
小児患者のツライのに治療を頑張る姿を思い出す。

私がいなくても病院はまわる。
休職したことをうしろめたく思う必要もない。
とはいえ、同僚から連絡をもらうと気になるのも事実だ。


こんな漠然と仕事の不安、彼も感じたりするのかな。
彼は留学して戻って来たばかり、これからバリバリ活躍する時期だ。

お風呂から濡れた髪をバスタオルで拭きながら幸せそうな顔をしている彼に
不安な顔を覗かせることはできなかった。
今はただ、このひと時を大事にしたい、それだけ。
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