溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
空虚(玲奈side)
スウェーデンへ戻り数日が過ぎた。
担当の患者の容体が悪くなり、オペをするしかない状況だった。

外科でトップクラスのベテラン医師の助手にはいることになった。
昨日、無事に終わり今のところ落ち着いている。
良い経験も出来た。

亮さんと離れて、一人の子供が助かった。
成功したから、全てを放り出してきた甲斐がある。

務めていた小児科は事情を説明すると、長期休暇扱い。
いつでも戻りたいとき戻っておいでと快く送り出してくれた。
華道教室も清史郎が代理を探して来た。

代わりはなんとでもなる。
自分の存在価値ってそんなもの。

だったら放り出してスウェーデンまで来た意味あるのか?
でも、そろそろ負担だったはず、私の存在が。
一番絶好調で医師として実力を出せる時期に私の存在は邪魔だと思った。

気を使わず思いっきり挑戦してほしい。
そう思ったら、私もまだまだ挑戦だと
戻ってきたのだ。
オペもどんどんさせてもらえるし、腕も磨ける。
結果的には双方のためには良かったのだ。


そう言い聞かせる。
< 208 / 280 >

この作品をシェア

pagetop