気づいて

••着替


伊織は、CTの検査も異常なく
後は、伊織が目を覚ましてから
と、なって
伊織の両親は、
「あなたが、責任を思う事では
ありませんよ。
私達は、自分の息子を
誇りに思います。」
と、言ってくれた。

私は、ご両親に
伊織とは大学からの友人で
会社の同期だと話した。
すると、お母さんが
「双真 莉央ちゃん?」
「はっ、はい、そうです。」
「そうなの。あなたが。
伊織が、仲の良い女友達が
いると言っていたの。」
と、言ってくれたから
思い出して
「伊織君には、付き合っている
彼女がいるのはご存知ですか?
彼女が心配しているのでは?」
と、言うと
ご両親は、
「彼女の事も
彼女の連絡先も知らないから
連絡出来ないね」
と、言った。
伊織の携帯を勝手に見るわけにも
行かなくて
伊織が目を覚ますまで
待つことにした。
ご両親は、私にも
家に帰るようにいった。
でも、と思うが
「莉央ちゃんの洋服」
と、言われて
改めて見ると、血があちこちに
ついていて大変な状況だった。
私は、びっくりして
「また、明日来ます」
と、ご両親に伝えて
タクシーで帰った。

タクシーの運転手さんは
私の姿を見てギョッとした顔をしたが
病院から乗せたからか
なにも言われなかった。

帰りついて
全てを脱ぎ
シャワーを浴びる
血のついた服は、見えないようにして
捨てる事にした。

少し落ち着いてきた時
また、あの時の凌平さんの
顔が浮かび
直ぐに連絡したが
彼が電話にでることも
折り返しかかることもなかった

どうしたら、良かったのだろう・・・
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