気づいて

••再会


それから更に三ヶ月が過ぎて
凉太は、七ヶ月を過ぎ
今日は、検診日

未熟児だったから
定期的に検診が行われる
肺や臓器も、まだ未完成な
状態だった・・・・

「おっ、大きくなったね、凉太君。
どれどれ、診察しようかな?」
と、先生が聴診器を胸にあてると
「きゃっ、きゃっ」
と、笑う凉太。

看護師さんも、ニコニコしながら
「普通、先生の白衣とか
聴診器を見ると泣きだす赤ちゃんが
多いのに。
凉太君は、平気だね?」
と、言った。

私は、どきっと、したが
笑って聞き流した。

今日の診察も凉太には、
異常もなく、ホッとして
診察室を出て・・・

先程の看護師さんの
言葉が頭をかすめていた・・

凉太は、彼の姿を見た事は
もちろん、一度もない
だけど、わかるのかな?
不思議だな・・・
と、思っていると
「り・・お・・?」
名前を呼ばれて、振り向くと
「えっ・・え・・凌・・平・・さん?」
と、お互いにびっくりしていると
「あっ、凉太君のママ
これ、忘れていましたよ。」
と、看護師さんが凉太のスタイを
持ってきてくれて
「あっ、ありがとうございます。」
「じゃ、凉太君、またね。」
と、凉太の頬にツンツンとして
持ち場に戻って行った。

私は、ドキドキしながら
「では・・私はこれで・・失礼します」
と、頭を下げて凉太を見せないように
立ち去ろうと・・・
「あれから、結婚したの?
相手は、彼?」
と、聞かれて・・・
「違います。」
と、だけ。
間違えられるのは伊織にも
申し訳ないと思って・・・
「そう。もう診察は終わったの?」
「あっ、はい。」
と、言うと
「少し、話しできる?」
と、言われて
私はあの時の事を
お詫びしてもいないと思い
彼と一緒に病院の前の大きな
公園のベンチに座った。

「元気だった?」
「はい。あの、本当に
すみませんでした。
すごく、傷つけてしまって。」
と、立ち上がり頭を下げると
「もう、いいんだ。
俺は、恋愛や結婚には
向かないのだと‥‥‥思う。」
と、言う凌平さんは
悲しそうな顔をしていた。

そんな、顔をしてほしくなくて

「違う、凌平さんは何も悪くない
私は、凌平さんといれて
幸せに思っていたし
凌平さんを大切に思っていた。

凌平さんは、すごく優しくて
かっこよくて、こんな人が
自分の彼氏だなんて・・・
って、思っていた。」
と、熱く語る私に凌平さんは、
クスクス、笑いながら
「ありがとう。」
と、言って私の腕の中の凉太を
そっと触った。
「抱いても?」
と、言われて
「はい。」
と、答えて、凉太をそっと
凌平さんへ。

凌平さんが、抱くと
凉太が目を覚まして
泣くかな?と思っていると
じ~っと、凌平さんを見て
「きゃっ、きゃっ」
と、嬉しそうに笑った。
「何ヵ月?」
「七ヶ月を過ぎました。
早産だったので、定期的に診察を
しています。」
「そう、心配だったね。
だけど、可愛い子だね?
ご主人も、嬉しいだろうね」
と、言われて
返事ができなかった。

 ***  “嘘”  ***

のフレーズが、頭を回り
黙る、私に凌平さんは
「莉央?」
「えっ、はい?」
「ここに住んでいるの?」
「はい。母方の祖母がいるので。」
「お婆さん?」
「はい。旦那さんもこちらの?」
と、言われて
「凌平さん。
凉太がお腹を
すかす時間なので、帰りますね。
凌平さんも、お元気で。
今日、お会いできて
良かったです。」
と、言い、凉太を受けとって
その場を離れた。

凌平さんが、凉太の名前と
早産で、七ヶ月・・・に
疑問を抱いてるのも知らずに
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