あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「わかったらもうここにはこないで!

私たちの邪魔をしないでよ!」

彼女は強く腕をつかみ私を店内に連れていく。

久し振りにみる颯馬は顔色も悪くて少しやせたようだ。

カフェスペースの長椅子で横になって眠っていた。

「颯馬は私のものなの。

年上のあなたには不釣り合いなのよ!

ずっと彼に触れていたのは私だけ」


美桜さんは颯馬に近づくと、颯馬の頬を両手で包み唇を重ねた。

うっすら目をあけた颯馬が美桜さんをぎゅっと抱き締めて深く自ら口付け二人の舌が絡み合う。

「んっ…」

彼女の甘い吐息に耳を塞ぎ私は店内を飛び出した。

首からはずしたネックレスはお店のドアのcloseの看板にそっとかけた。

「颯馬…さよなら…」


翌日携帯には颯馬からの着信が何度もあった。

私は電話に出ることができなくて電源をおとした。




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