あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「山梨にこないか?」

真っ直ぐに目の前の恭一さんが私を見つめた。

「えっ?」

「俺の助手。さもなくば俺の嫁」

私が顔をしかめると恭一さんはニヤニヤ笑った。

「からかわないでください!」

と頬を膨らませると

「…男を忘れるにはさ、新しい男作ればいい。
目の前にこんなにとびきりなイケメンがいるんだぜ?
しかも、毎回会うたびに求婚して口説いてる。

意地張らないで甘えりゃらくになるのに、ほんと頑固だよな、杏は。」

ため息をつく恭一さんは、本当に格好いい。
彼女がいないのが不思議なくらいだ。

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