あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「…で?
これはどういうこと?

返された理由が聞きたい。

ドアにかけてあったけど店に来たってことだよね?

なんで?」

「私ね山梨の研究所に異動するの。

そこの所長、冴島製薬の社長の息子でね、私求婚されてるの。」

静かな車内で颯馬が息を飲んだのがわかった。

「私やっぱり年下は無理みたい。
それに颯馬は忙しいし、私ほっとかれるのもう我慢できない。

ほら、颯馬には美桜さんがいるじゃない。
彼女なら颯馬の側で手助けできて支えられるでしょ!
年上の私よりお似合いだよ」

"バン!!"

大きな音が車内に響き、驚いて顔をあげるとハンドルをおもいっきり叩いた颯馬が怖い顔をして私を睨んでいた。


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