あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「私もきちんと話がしたかったの。

場所をかえてもらっていい?

会社の前はちょっと…」

「わかった。
車で来てる。移動しよう」

助手席に乗り、運転している颯馬の顔を盗み見る。

その顔は疲れていてやはり、以前より痩せていた。

「痩せたね颯馬…」

「…忙しいからね…」

ポツリと答えた颯馬は日が暮れ始めた大きな公園の駐車場に車をとめた。

「はぁ。俺何かしたかな?
忙しくて杏のことほっときすぎたのは反省してる。
それについては謝るよ。
ごめんなさい」

眉毛を下げて困ったようにその目は狼狽えていた。

そんな彼を見ていることが辛くて、目をそらして固く握りしめた手元にし視線を落とした。
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