あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて

甘い彼に捕らわれて

薄手のコートからいつのまにかダウンに身を包む季節にあっという間に切り替わり、今年も一週間ほどで終わろうとしていた。


山梨に引っ越してようやく一ヶ月、一人暮らしにもずいぶんなれた。

仕事にはまだなれなくてオタオタしているが、恭一さんや社内のみんなが親切にしてくれるのでなんとかやっている。

山梨に異動したが、私と恭一さんは付き合ってはいない。

「わかってる。

君たちの間にはじめから割り込むつもりなんてないよ。

まぁ気が変わったらいつでも俺の隣に来てくれてもかまわないけどね」

山梨への異動をお願いしたときにそう言って優しく微笑んでくれた。

もちろん私が彼の隣に収まることなんて絶対にない。

< 132 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop