あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「お前はバカか?
…最低な男だな…」

杏のことが好きでたまらないくせに、いくら言い寄られたからといって、好きでもない女の子と付き合って、杏のことを最優先する俺を親父はあきれながらたしなめた。

「お前さぁ、不誠実だぞ。
好きなら黙って杏ちゃんだけ想い続けてぶつかれよ。

杏ちゃんにも女の子たちにも失礼だぞ?」

「学生の俺を社会人の杏が相手にすると思う?

親父はさ母さんと同い年だから…」

不貞腐れた俺の頭を親父は優しくなでた。

「大丈夫。すぐに年の差なんてきにならなくなるよ。」

そう言われても社会人の杏に相手にされることなんてなくて、男としても見てさえもらえない。


< 157 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop