あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
うっかり、恩人の娘に惚れかかった。

手を出しかけて本気になりかけた気持ちを、冗談めかして口説いたものの、彼女の中にはずっと幼い頃からいつも隣にいた彼が居座っていた。

つけいる隙はわずかにあった。

家族になるチャンスはあったけれど、誰かを悲しませてまで手にいれたい幸せじゃない。

純白のウエディングドレスに身を包んで幸せそうに微笑む彼女の隣には、同じくらい満面の笑みで微笑む彼が一番お似合いだ。

二人とも俺との出会いは記憶には残っていない。

だからあとで教えよう。

新婦の上司としてのスピーチの中で。

"あの時俺を見つけてくれてありがとう"と。

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