あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
意識し出したら心臓がうるさいくらいに騒ぎだして、目の前の颯馬の顔が直視できない。

そんな胸のうちを知られたくなくて、テーブルの上の色とりどりのケーキに目をむけると、どれもこれも美味しそうで選ぶことができない。


「うーん…」

真剣に吟味している私に目の前から笑い声が上がる。

「可愛い杏ちゃん」

「本当に杏ちゃん可愛い」

一番四人の中で年上なのに、子供みたいな自分が恥ずかしくて真っ赤になると

「そんなに真剣に悩むなよ。

いつでも食べたいもの好きなだけ杏のために作るから」

と笑っている颯馬が、意識し出したらいつもより五割増し位カッコよくみえるっ!

あぁ、やばい…

目の前の美味しそうなケーキよりも、颯馬のほうが甘い香りをはなっている…


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