あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「せっかくの葵の料理が冷めちゃうだろ!

杏ちゃんも仕事帰りに来てくれて疲れてるんだから、三人でまとわりつくな!

さっ座ってご飯にしよう」

ところが今度は誰が私の隣に座るかで兄弟喧嘩がはじまった。

結局葵さんと愛美ちゃんに挟まれて座り、正面に颯馬が座った。

こんなにぎやかで暖かな優しい晒名家の家族が私は大好きだ。

愛美ちゃんと涼二くんの医大での話、颯馬の三年間のフランスでの話、葵さんの美味しいご飯をみんなで食べてこの家族の一員になったら私はすごく居心地がいいのだろう。

えっ…?でもまって!?

この家族の一員になるってことは…

私…

颯馬と結婚するってこと!?

その考えにいきつき、はっとして目の前の颯馬を見ると、優しく微笑む颯馬と目が合って私の胸がドキンとした。

もうこれは否定しょうがない。

私は、この目の前の強引に迫って甘く囁く男が、たぶん…


好きなのかもしれない。
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