あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
思い出した!

スーツに身を包み、綺麗にセットされた髪で気がつかなかった。

冴島恭一三十三歳。
冴島製薬の長男だが、製薬開発を所長自ら研究者として行っている天才、白衣に眼鏡のイケメン…それが私の記憶にインプットされたデーターだった。

「大変失礼いたしました!」

慌てて副社長室に内線をかける。

「たたいま、副社長は外出中でお戻りは一時間後の予定です」

「はぁ、捕まんなかったか。
しかたないか。おい」

鋭い視線が私のネームプルートに目をむけて

「坂口さん、一時間今から昼飯付き合え」

「えっ!?」

瞬きをくりかえして、じっと目の前のイケメンを見たまま動けずにいると

「ぐずぐずするな早く支度しろ!」

怒鳴り声に弾かれたように動き出した。

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