君への愛は嘘で紡ぐ
だけど、転校初日の私に行くところなんてない。
人目を避けながら歩いていたら、保健室に来てしまっていた。
ほんの数時間前に体調悪くなくても来ていいと言われ、その言葉通りに、というより無意識に来た。
さすがに入ることはできなくて、来た道を帰ろうとしたとき、ドアが開いた。
「小野寺さん?そんなところに立ってどうしたの?」
「えっと……」
先生に見つかってしまった。
適当な言い訳をしようと思ったが、動揺からか言葉が出てこない。
「それ、お弁当?あ、そっか」
お弁当と言われて咄嗟に背中に隠したけれど、どう考えても意味がない。
先生は少し移動して室内に向けて手を差し出した。
「どうぞ?」
ここまで来て逃げることなどできず、私は先生の優しい目から逃げるように、俯いて中に入った。
先生も後から入ってきて、ドアを閉めた。
今度は自分からさっき座っていた椅子に座る。
だけど、座ってから気付いた。
「先生、どこかに行かれる予定だったのでは……」
「少しジュースが飲みたいなって思っただけだから、気にしないで」
照れ笑いを見せる先生のポケットから小銭の音がする。
そして自分の机に置いていた弁当を持って、斜め前に座ってくれた。
人目を避けながら歩いていたら、保健室に来てしまっていた。
ほんの数時間前に体調悪くなくても来ていいと言われ、その言葉通りに、というより無意識に来た。
さすがに入ることはできなくて、来た道を帰ろうとしたとき、ドアが開いた。
「小野寺さん?そんなところに立ってどうしたの?」
「えっと……」
先生に見つかってしまった。
適当な言い訳をしようと思ったが、動揺からか言葉が出てこない。
「それ、お弁当?あ、そっか」
お弁当と言われて咄嗟に背中に隠したけれど、どう考えても意味がない。
先生は少し移動して室内に向けて手を差し出した。
「どうぞ?」
ここまで来て逃げることなどできず、私は先生の優しい目から逃げるように、俯いて中に入った。
先生も後から入ってきて、ドアを閉めた。
今度は自分からさっき座っていた椅子に座る。
だけど、座ってから気付いた。
「先生、どこかに行かれる予定だったのでは……」
「少しジュースが飲みたいなって思っただけだから、気にしないで」
照れ笑いを見せる先生のポケットから小銭の音がする。
そして自分の机に置いていた弁当を持って、斜め前に座ってくれた。