君への愛は嘘で紡ぐ
「でも、どうしてそんなことを聞きに来たの?」


先生がそう質問すると、由実さんと瑞希さんは私のほうを見てきた。


見られても、答えようがない。
素直に言えばいいだけの話なのかもしれないが、友達に話すのと先生、増してや笠木さんの従姉弟に話すのはわけが違う。


「……最近見かけず、どうされているのか気になりましたので」
「そっか。でもね、小野寺さん。玲生くんが学校に来ないのはよくあることだから、そんなに気にしなくてもいいよ」


先生は私を慰めるためか、頭を軽く叩いた。


気にするなと言われると、気になってしまう。


先生の話が正しいのならば、これから先、学校に来ても笠木さんに会えない可能性が十分にあるということだろう。


それはとても、寂しい。
彼に会いたいと思う気持ちだけが、募っていく。


「先生、笠木くんにもう少し学校に来るように言ってもらえませんか?」
「学校側としては来てもらいたいけど、玲生くんのお母さんは玲生くんのやりたいようにやりなさいっていう、放任主義だから……」


それが許されるのか。


学校に通わない。
来ても、授業中は寝る。


どうして笠木さんは。


「アイツ、なんで学校に来てんだろ。高校は来ても来なくてもいい場所で、来る気がないなら来なきゃよかったのに」
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