想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
「選考に関係するってわけじゃないですよね」

「アドバイスが必要なひとじゃないから。佐倉さんはチームのメンバーの傾向を知りたいんじゃないかな。ふだんってだいたい業務のやり取りで終わっちゃうからね」
森山さんがちょっと困ったように笑う。

「そういえばそうですね」
チームの運営もリーダーである佐倉さんの重要な仕事だ。これもコミュニケーションの一環なのかもしれない。

どれどれ、と設計図を一部ずつ手にとってめくってゆく。
予算、施主の家族構成なども具体的に設定され、応募者たちはその条件を満たしながらデザインを競い合う。

彼らの熱が図面から、引かれた線の一本一本から伝わってくるようだ。
若手の建築家だからか、なかなかの意欲作ぞろいだな、と思いながら自分につっこむ。なんで上から。わたしは俎上にのる段階にも行っていないのに。

格子状のガルバリウム鋼板をファサード(正面)に据えたデザイン。採光とプライバシー確保の工夫がこらされ、デザインはモダンでありながら和のテイストも感じさせる。
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