切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
そのままへたり込みそうになる私を彼がすかさず支え、楽しげに目を光らせる。
『キス、腰が砕けそうなほど良かった?』
……この余裕、からかわれた?
相手は八歳も年上の美形。
私と違って恋愛経験は豊富だ。
さっきのキスに彼の気持ちが込められていると思ったのは気のせいだった?
『……玲司さん、特別ってどういう意味ですか?』
真剣に問いかける私を優しい目で見つめる彼。
『それは美月が知ってるんじゃないかな?昨日美月は俺のことを特別って言ってたよ。大好きな玲司さんとも言ってたな』
『う……そ』
彼の落とした爆弾に、頭がパニックになる。
『酔ってて可愛かったよ。動画撮っておけばよかったな。でも、俺がいないところでお酒……』
玲司さんがまだ話を続けているが、それどころではなかった。
『私、玲司さんにそんなこと言ったの? あ~、私の馬鹿〜!』
< 165 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop