切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
あの時は、自分の頭をボコボコ叩きたいくらい恥ずかしかった。
GW開けの月曜日の朝、私は朝食を食べながらひとり悶々と考え込んでいた。
玲司さんの告白やキスだけじゃない。
私だって彼にとんでもないこと言ったらしいし、
あの日、目が覚めたら下着姿で玲司さんと寝ていて……。
絶対に彼に下着姿見られたよ。
だって、宿の人が朝食の準備に来た時、玲司さんはすぐに布団から出て応対したのだ。
それまで『マロン』とは言って私の身体にキスとかして……、いつもみたいに寝ぼけているのかと思ったけど、あれは目が覚めていたに違いない。
後で洋服に着替えようとしたら、胸元に赤紫色のキスマークがついていてビックリ。
あの朝はいろいろあり過ぎて玲司さんのこと直視出来なかった。
ひょっとしたら玲司さんって寝起きがいいんじゃあ?
「……月、美月、もうそろ会社行かないと遅刻するんじゃなの?」

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