切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
13、今夜のノワールは貸切です
『渡辺君、もう飲めないよ〜』
これ以上ビールが飲めなくて弱音を吐く私に、彼は鬼軍曹のような顔で命じる。
しかも、なぜか竹刀を持っていて怖い。
『その程度のビールが飲めなくて、仕事がちゃんと出来ると思ってるのか? それ飲んだら、次は日本酒いくぞ!』
渡辺君の発言にクラッと目眩がした。
『ビールと仕事は関係ないんじゃないかな?』
遠慮がちに指摘するも、彼は厳しい顔で言い、竹刀でバンッと床を叩いた。
『関係ある。松本、それ飲んで根性見せろ』
『無理だよ〜』
半べそかきながら叫ぶ私。
早く……家に帰りたい……い。
「う……ん、頭痛い。ん?あれ?いつものベッド。渡辺君と居酒屋にいたはずなのになんで?瞬間移動でもした?」
渡辺君が竹刀持って私をしごいていたのは夢だったの?
現実と夢がごちゃ混ぜになっていて、整理がつかない。
私……ビール飲んで寝ちゃったのかな?
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