切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
明日は土曜日だからゆっくり休めるなあ……なんて考えながら、独身寮に帰ろうとして歩いていたら、ドンと誰かにぶつかった。
「す、すみません!」とすぐに謝って顔をあげれば、それは二度と会いたくなかった人物で……。
「矢島……修一」
思わず声に出して名前を呟くと、矢島はまじまじと私を見た。
「お前……照美の娘」
『照美』というのは私の母の名前だ。
「ずっと探してたぞ。お前の母親が借金をしてな。話があるから来い」
矢島がニヤリとして私の手を掴む。
その目はまるで獲物を狙うヘビのよう。
「い……や。離して!」
振り放そうとするが相手の力が強くて、逃げられない。
周囲にいる人も知らない振りをして通り過ぎていく。
このまま彼に捕まってしまうの?
そんなの嫌。
諦めかけたその時、玲司さんが息せき切って現れた。
「彼女を離せ!」
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