切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「うちは新婚なの。あんたの大事な子なんでしょう? 玲司のとこに置いてあげればいいじゃないの」
一晩くらい泊めるならまだしも、しばらく一緒に住むのはマズイ。
美月ちゃんももう大人なのだ。
「それはマズイ」
眉根を寄せ呟くように言えば、涼華さんはフフッと笑った。
「若い子と同居出来ていいじゃない。楽しみなさいよ。明日は公判があって私忙しいの。切るわね」
プチッと機械音がして、一方的に電話を切られた。
当てが外れたな。どうする俺?
人と一緒に暮らすのは慣れていない。
五歳の時に母を交通事故で亡くし、その後真田家に引き取られたが、父は結婚していて、俺はずっと本宅ではなく、離れに住んでいた。
父の正妻を気遣い、なるべく本宅には近寄らないようにしていて……。
正妻に弟が生まれるとますます家に居づらくなって、祖父がそんな俺をよく連れ出してくれた。
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