切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
スマホを取り出して画面を見れば、晴人からのメール。
【美月ちゃんの母親、愛人に捨てられて、今は亀戸のアパートでひとり暮らしをしています。生活も困窮しているようですよ】
美月ちゃんの母親のことが気になって、晴人に調べるよう頼んでおいたのだ。
……愛人と別れて、金もなくなったか。
そのうち美月ちゃんの前に現れるかもしれない。
スマホをポケットに戻すと、もう会議室に残っているのは俺だけだった。
少し美月ちゃんの様子を見て行くか。
確か総務に配属されたと話していたな。
会議室を出ると、エレベーター待ちをしていた役員の中から青いカーディガンを着た女の子が出て来た。
美月ちゃん?
女の子は何かを探しているのかキョロキョロしている。
やっぱり彼女だ。
美月ちゃんに近づくが、彼女は俺に気づいていない。
話し掛けようとしたら美月ちゃんとぶつかり、彼女が持っていた資料が廊下に散らばった。
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