期間限定『ウソ恋ごっこ』
おかげでダダ下がっていたテンションが、一気に復活。嘘みたいにパーッと視界が明るくなる。


やったあ! なんてラッキー!


絶望的に八方塞がりだったけど、まさかここにきてこんな強力な味方が現れるなんて!


折原先輩のミシュラン弁当には及ばないまでも、せめて世間一般レベルのお弁当さえ作れたら、あたしの女の子としての面目だけはどうにか保たれる。


「ぜひぜひぜひ、お願いします!!」


あたしは思い切り勢いよく立ち上がって叫んだ。


近藤先輩は危うくひっくり返りそうになりながら、「お、おう。わかった」と立ち上がる。


「場所は俺んちでいいか? その方がいろいろ都合がいいんだ」


「はい! ぜんぜんかまいません!」


「いや、少しはかまえよ。男の家にふたりきりになるんだぞ?」


「へ? おうちの人、誰もいないんですか?」


「うちの親は共働きで帰りが遅いから。俺はひとりっ子だし、それで必然的に料理が俺の担当になって鍛えられたんだ」
< 141 / 408 >

この作品をシェア

pagetop