期間限定『ウソ恋ごっこ』
「彬はさ、ちょっと不愛想で口は悪いけど本当は周りをよく見ているし、困っている人は必ず助けてあげるから、みんなからとても信頼されてるんだ」


まるで自分のことのように自慢する伊勢谷先輩の隣で、近藤先輩が「なに言ってんだ」って言いながら横を向く。


でも耳がしっかり赤くなってるところが可愛いくて、ついクスッと笑ってしまった。


するとその笑いを誤解したのか、伊勢谷先輩がムキになって近藤先輩の長所を語り出した。


「彬は本当にすごいんだよ! 相手が誰だろうと絶対に怯まないし、顔色を窺うこともしない。いつも正々堂々と前を向いていてカッコいいんだ」


「もうやめろって。聞いてると体がムズムズしてくる」


顔を歪ませながら首筋をポリポリ掻いてる近藤先輩に、伊勢谷先輩は上機嫌な笑顔を向けた。


「それに、生徒会でも俺をしっかりサポートしてくれてる。本当は生徒会長は俺じゃなくて彬が適任だと思う」


「それは違う。会長の務めはお前だからこそ立派に成り立っているんだ。お前はもっと自分を正当に評価しろ」
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