高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
『わかりました、待っています』

そう返事を書くと、
「はい、どうぞ」

西口くんに書類を渡した。

「ありがとうございました」

私の手から書類を受け取った西口くんはお礼を言うと、自分のデスクへと戻って行った。

その後ろ姿を見送ると、私は仕事に取りかかった。

伝えたいことって、何だろう…?

もしかして告白とか…って、それはちょっと考え過ぎと言うものがあるぞ。

だけど、私から声をかける必要と言うものはなくなった。

後は西口くんに伝えて、彼の返事を聞くだけである。

果たしてどうなるのかはよくわからないけれど、ちゃんと西口くんに伝えようと思った。

そう決意をしたとたんに、緊張してきた。

私は深呼吸をすると、パソコンの画面を見つめた。
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