あなどれないね、世唯くん。



グッと押しつけられた唇。

一瞬にして、身体が痺れて力が入らなくなりそうになる。


久しぶりに触れた感触はすべてが気持ちよくて、甘すぎて溺れそうになる感覚。


「いと……口開けて」

「っ、……ん」


頭がボーッとして、言われるがまま。
酸素を求めてわずかに口を開けた。


「そう……いい子」

スッと入り込んできた舌のせいで溶けそうになる。

甘すぎて、おかしくなりそう……っ。


「はぁ……っ」

息がうまくできなくて引こうとしても、それをさせないために世唯くんがグッと手を引っ張ってくる。


もう何がどうなってるのかわかんない。
自分がいまどんな顔をして、どんな体勢で世唯くんとキスしてるかなんて。


「いいね、そのとろーんとした瞳。
いとは俺を煽るのが上手だね」


ようやく唇が離れたと思った、視界がグルッと回ってドサっと倒れた音がして、さっきまで見えなかった天井が見える。

< 105 / 339 >

この作品をシェア

pagetop