見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
あれからも避妊はせず、自然に任せているものの、つい先日も生理が来てしまった。やはり、まだタイミングは合わないらしい。

一ヶ月前、周さんのご両親がそろって帰国され、お父様ともやっと顔を合わせることができたのだが、このときは子作りの話は出されなかった。

一応、寡黙でダンディなお父様も結婚は認めてくれているので、とりあえず周さんとふたりの生活を楽しみながら、私は仕事に精を出しているところだ。


土曜日のお昼時、自分にもすっかり馴染んだ袴姿で、食堂にやってきたお客様に冷茶を出す。

旧一柳邸では、以前から夏は麦茶を提供していたそう。周さんに、深蒸し茶を使った美味しい冷茶の淹れ方を教えたら、それを出してくれと頼まれて今に至る。

そのおかげか茶葉の売れ行きもよく、両親からお礼の電話をもらったりもした。

熟女三人組は案の定あまりいい顔はしていないが、まあ気にしない気にしない。


今日の私は、いつにも増して楽しい気分で働いている。なぜなら、久しぶりに心晴さんが会いに来てくれたから。

子供は旦那さんに預け、つかの間の一人の時間を満喫している彼女。遅めのランチを食べたあと、二階の資料館を見学しながら、私の時間が空くまで待ってくれていた。
< 177 / 275 >

この作品をシェア

pagetop