俺様彼氏と冷静彼女……こんなので付き合っていける?

四月から高校二年生になる本田涼(ほんだりょう)は毎日夕方に愛犬のキルと家の近くの河川敷を散歩する

新学期もせまった四月の初め、土手の草むらに横たわっている女子を見つけた

(……?倒れてる感じではなさそうだな……寝てるのか?)

「おい、こんなとこで寝るなよ」

涼は女の顔を覗きこんだ

女はピクっと反応した
(……何か声がする、気持ちいいのに……)

「んー、もうちょっと……」

「寝ぼけてやがる」

キルを見て涼は合図を送る

ペロリ!

「キャッ!」

「(笑)起きた?」

目を開けると男の顔がアップで見えた

(えっ、えっ、誰?)

女はびっくりして起き上がった

ゴツン!!

「……っ痛てぇ」
「痛い……」


「こっちのセリフだろ?急に飛び起きるなよな」

「ごめんなさい!だってびっくりして……」

二人は同時におでこを触った

「どうせなら漫画みたいにさ、口に来るとかねえのかよ」

涼は自分の手をおでこから唇に持ってきてトントンとキスの素振りをする

「ないでしょ(笑)やだよ、知らない人となんて」

「(笑)知り合いならいいのか?」

「それもやだけど……あっ」

キルが寄って来て頬や唇を舐める

「キルならいいのかー、なんかキルが気に入ったようだな、キル、お前いいなー」

キルの体をさする

「キルっていうの?可愛いねキル……ぶっ」

話そうとすると唇を舐められる

「俺もキルになりてぇ(笑)」

「なれっるわけ……うっ、……ないでしょ!キル苦しいよ」

キルの体をワシャワシャと撫で回す

それを気に入ったのか大型犬のキルは彼女に覆いかぶさり犬に押し倒された

彼女は楽しそうに笑っていた


「なあ、何でこんなとこに寝てたんだよ」

「私ね、昨日引っ越してきたの、散歩に出てみたらこんな広い川見つけて土手の草むらも気持ちよさそうだし横になったら寝ちゃってた」

「まだ夕方から寒くなるから風邪ひくぞ、それにスカート履いてる時はやめたほうがいいな(笑)」

「キルが舐めるからじゃん」

涼は彼女の隣に座った

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