これが恋だと言うのならば
「朝陽!」
「わ、冬夜君!おはよーっ!」
最近、俺はおかしい。
俺の名前を呼ぶ朝陽が、笑顔で挨拶をしてくれる朝陽が…可愛い、だ、なんて。
しかもその可愛いが、別の意味も含んでいるような気がして、モヤモヤする。
「冬夜君…?」
「あ、ごめん、おはよ。」
「一緒に行こ!」
…やっぱり可愛い。
「あ、ごめん、俺職員室呼ばれてて。」
「え!?冬夜君なにしたの…?!!」
「や、悪いことしたわけじゃないから。日直だからさ、仕事あるんだ。ごめんね。」
「そっかー。じゃあしょーがないね!行ってらっしゃい!」
「ん。行ってきます。」
ここで朝陽と別れ、職員室に向う。
「とーやー」
「おー、晴真、おはよ。」
「おはよー、でさ!!」
「ん?」
「朝陽ちゃんと付き合い初めて何ヶ月でーすか!」
「んーとー、2ヶ月ちょっと前かな。」
「じゃあ来月だね。」
「え?」
「だから、朝陽ちゃんと、別れるの。」
…そう、だった。
「…うん、そーだね。」
普通じゃ、なかったんだ、始まりが。
「じゃ、俺行くわ!冬夜は?何すんの?」
「日直だからさ、多分雑用」
「そかそか、頑張ってー」