とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
「委員長に言われるのは怖いな」

「身に覚えがありすぎる?」

優等生だった彼だ。怒られたことなさそう。

「そういうわけじゃないけど。てか、真琴には連絡してるの」

腕時計を外す仕草が、なんていうのだろう。素敵すぎて戸惑っていたら、私を不思議そうに見つめてきた。

「なに?」

「あ、いや。でも美里は泊まってもいいよって私が言った」

「そう。残念。行ってきますとお休みのキスができないじゃん」

着換えてくる、と背中を向けた一矢くんに、頬が熱くなった。

「いつもしてないでしょっ」

キスの一件以来、一矢くんがとても積極的になった気がする。

いや、積極的になった。

少々卑怯な手で結婚を申し込んできた男だ。

いざ、私に男性恐怖症がないとわかるとこんな感じで本性を出してくる。

クールで爽やかな彼は何処だ。

「そういえば、真琴がさあ」

「えっ着替えながら出てこないで」

美里にタオルケットをかけようとしていたのに、上半身裸で首にTシャツをかけた状態で現れた一矢くんに驚き、タオルケットで顔を覆い隠した。

「セクシーに攻めてみようかなって」

「ただの露出狂です」

はやく服を着て、と叫ぶと、喜々と嬉しそうに笑うから憎らしい。

「真琴が、同窓会の幹事してくれるって」
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