極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
自分の鼓動を耳の奥で聞き、大胆発言の羞恥で、全身の血液が顔に集中している。

そんな実乃里の強がりは、龍司に伝わっているようだ。

片手で彼女の腰を引き寄せ、もう一方の手で顎をすくった龍司は、至近距離から真っ赤な顔を見つめてフッと笑う。


「ああ。惚れ惚れするほど、いい女になったな」


大人の余裕を感じさせる声と、甘く誘うような男の色香をたたえる瞳。

苦しいほどに実乃里が鼓動を弾ませれば、一瞬で唇を奪われた。

三年分の空白を埋めようとするかのように、情熱的で激しいキスは、実乃里から虚勢を奪い去る。

会いたくて会えなかった切なさを伝えたくて、肋骨が折れていると言われても、その背に腕を回して縋りついた。

二度と置いていかないでという思いでいる。


そんな実乃里に応えて、爪先が浮くほど彼女を強く抱きしめる龍司は、濃厚に舌を絡ませて静かな店内に水音を立てる。

実乃里が息苦しさを覚えるほどに口づけてから、彼の唇は頬を滑り、耳へと移動した。

そこに低く艶めく、欲望を滲ませた声を吹き込む。


「実乃里、お前が欲しい。俺の女になれ」

「は、い……あっ」


ブラウス越しに上から下へと背筋をなぞられ、実乃里は熱い吐息を漏らす。

三年前のたった一度の情事が、まるで昨夜のことのように鮮やかによみがえり、体が芯から火照りだした。


「龍司さん、好ーー」

告白はキスで遮られ、言葉はいらないというように、先ほどよりも猛々しく唇を犯される。

心の底から求められていることを実感させられた実乃里は、心と体を震わせる。

三年越しの想いが実り、歓喜の中で涙するのであった。


【完】
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