一生に一度の「好き」を、全部きみに。
『そんなわけないだろ』
その言葉が激しく心を揺さぶる。
「熱が出て学校休んだ友達を心配すんのと、なんら変わんねーよ」
「…………」
咲……。
「それに葵は女だろ? 心配するよ、いろいろと。指先だって、傷が残ったらどうすんだ?」
「え……?」
傷?
照れくさそうにガーッと頭をかく咲。その目は本気で私を心配しているように見える。
「えっと、針を刺したくらいで傷なんて残らないよ?」
「え、そうなのか?」
「うん。こんなのかすり傷だもん」
「それでも俺は心配だったんだよっ。葵だから……」
「私、だから……?」
それはいい意味で受け取っていいのかな。
「お前はがさつに見えて実は結構繊細だったりするからだよっ! 深い意味はないから気にすんな」
そう言って前を向くとグッと私の腕を引っ張った。咲の横顔はなんとなく赤い。
「あはは」
「なに笑ってんだよ」
「なんでもなーい!」
「……っ」
投げやりな言葉の奥に咲の優しさが見えて胸が熱くなったということは、咲には絶対に秘密。