溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜
「心配するな。仕事中にやったわけじゃない」
「だから余計に心配なんです。博人さんの時間がなくなっちゃうじゃないですか」
身体はきちんと休めてほしい。
「美華のために使う時間だ。惜しむ気持ちはいっさいない」
迷いのない博人の言葉が、美華を柔らかく包み込む。
好きだ、愛してる、といった言葉をもらったわけではない。それでも博人の気持ちが伝わり、途方もないうれしさが込み上げた。
「本当にありがとうございます」
「喜んでいただけて光栄です」
博人は胸に手をあて、おどけた顔を向けた。
「あ、それと、沙也加さんがいらっしゃいました」
「彼女が!?」
博人が目を見開く。
「でも大丈夫でした」
「大丈夫?」
「わかってくれたみたいで」