溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜

ベッドには秘境のページが開かれたままの写真集が置いてあった。博人が寝た形跡はない。

(もしかして私がベッドを陣取っていたから寝られなかった?)

時刻はまもなく午前六時。部屋にはカーテンの隙間から光が差し込んでいた。


「朝ごはん作らなきゃ」


火曜日だから博人は仕事だ。

自分の部屋でパジャマから着替え、身支度を整える。
階段を下りてリビングへ行くと、彼はソファで寝ていた。美華が最後に見たときはスーツだったが、パジャマ姿だ。
テーブルにはノートパソコンが閉じられた状態で置かれ、近くに手帳もあった。

(うわぁ……やっぱりベッドを私がひとりで占領していたからだ)

申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、今はとにかく朝食だとキッチンに向かう。

冷蔵庫を開けると、真っ先に納豆が目に入る。大好きだと言っていた通り、常備しているらしい。
それほど食材が揃っていなかったため、美華が暴露した通りに納豆に玉子焼き、味噌汁くらいしか用意できなそうだ。

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