同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
 自嘲気味に話す悠太くんの表情は、きっと自分でも自覚があるのだろう、私の目から見てもかなり歪んで見えるしそんな顔を見られたくないのか顔を私から背けている。

 悠太くんの言葉に、一体どう返事をすればいいのだろう。私が何か言葉を発した所で何も変わらないし、悠太くん自身が傷付くのが目に見えている。
 気が付けば、私は自分の手で悠太くんの左腕を掴んでいた。
 突然の行動に、悠太くんも驚いた表情を見せるものの、私の手を振りほどく事もなくそのまま私の顔を見つめている。

「えっと……、何て言っていいのか分からないんだけど……。
 確かに私は、過去の悠太くんの交友関係に嫉妬してた。でも、それは今更だし、私がとやかく言える立場ではないから悠太くんがそんな風に思う必要はないし、色んな事があってこその『今』があるんだと思う。
 だから……、上手く言えないんだけど……」

 私の拙い言葉に、悠太くんの身体が動いたと思ったら、私は悠太くんに抱き締められていた。
 横並びの席だから、体制はかなり無理があるけれど、それでも大きな体に包まれる安心感があった。
< 104 / 119 >

この作品をシェア

pagetop