同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
 やっぱり男の人って、そういう目で見てるんだと言う事と、それと同時に私の気持ちも尊重してくれている事を感じて二重の意味で驚いた。

 でも改めて思うのは、十年経った今、こうしてお付き合いを始めているものの、本当に私なんかでいいのだろうか。
 見た目だって他の女の子に比べると地味だし何の取り柄もないし、第一に私が自分に自信を持てないから、悠太くんの隣にいていいのか不安になる。
 でも、そんな私でもいいと言ってくれた悠太くんの事を信じたいし、傍にいて欲しいと思う私の気持ちを信じたい。

「……来月のホワイトデー、次の日に有給休暇取るから、良かったら一緒に過ごして」

 私の精一杯で返事をした。
 私の返事に、悠太くんは驚きを隠せないでいる。
 事実、悠太くんの身体が固まった。
 私の覚悟を、どうか受け止めて欲しい。

「……いいの? 来月は俺、結衣と一晩一緒に過ごせるの?」

「来月の話だよ……? 悠太くんは中学校の卒業式も近いし、年度末で色々忙しいと思うけど、大丈夫なの?」

 三月十四日なら、確定申告の締め切り前日になるので私は仕事もこの日で落ち着く予定だ。当日に飛び込みが来る様な事は流石にないだろう。もし仮にあったとしてもそれはまだ私に仕事を振られる事はないし、休んでも支障をきたす事はなさそうだ。
< 107 / 119 >

この作品をシェア

pagetop