同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
「ハガキ、今日届いてた。メッセージも読んだ。
……ねえ、本当に全員参加じゃないとダメなの?」

テーブルの上に置いていたハガキを反対の手に持って、書いてある内容を見ながら話をする。

『うん、ハガキにもメッセージにも書いてある通り、今回は記念すべき卒業十周年だからね。
前回……、今年のお正月に全員周知してるの、結衣以外はね』

私以外って、毎年の同窓会にみんな毎回参加しているのだろうか。

私の疑問に、由美は気付いたのだろう。
言葉が続く。

『結衣以外はみんな誰かしら繋がりがあるから、不参加だったメンバーにも連絡が行ってるの。
そう言えば、坂本(さかもと)がずっと結衣の連絡先知りたがってたけど、今回も教えない方がいいんでしょう?』

不意に聞いた坂本の名前に、私の思考は固まった。

……坂本が私の連絡先を知りたがっているなんて、そんなの嘘に決まってる。
今更坂本と繋がりなんて、私は欲しくない。

私が返事をしない事が、肯定である返事だと捉えた由美は、言葉を続ける。

『本人に直接聞け! って言っておいたけど、仮に聞かれたとしても教えそうにないよね、その調子だと……』

小声で坂本可哀想と呟く由美の声はスルーした。

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