同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
「防犯上、きちんと閉めておかないとね。
結構風も出て来たし、扉が壊れたら警備保障会社に迷惑かけるし」

坂本はそう言って笑うけど、他のみんなはもう集まっているのだろうか。
でも、そうだとしたら、ここにみんなの靴がない。

「ねえっ、他のみんなはどこにいるの?
本当に今日、ここで同窓会やるの?」

私は急に不安になってきた。
みんなとの接点を自分から断っていたくせに、こんな事を思うなんておかしいかも知れない。
けれど、これじゃまるで何かの罰ゲームみたいだ。

「同窓会は、今日やるよ、夜に居酒屋でだけど。
でも、そう言ったら西田はここにも来ないし、本当の同窓会にも顔を出さないだろう?

……あの日からずっと、西田ときちんと話がしたかったけど、タイミングも合わなかったし、気がつけば家も引っ越してたし連絡先さえ分からなくなってた。

永木に聞いても全然口を割らないし。
話をするのに十年かかったけど、やっと信用して貰った」

坂本の言葉に、私は頭の中が真っ白になった。

一体どう言う事……?

「……意味がわからないって顔してる。

とりあえず今は、ちょっとした宝探しゲームしよう。
校内の至る所にさっきみたいなメモを置いてるから、西田はそれを全部探してみて。

そうすれば、答えが分かるから」

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