同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
今思えば、甘酸っぱい青春の思い出ばかりだ。

二年三組の教室に入り、一番前にある教卓の上を見ると見覚えのあるメモ用紙が目に見えた。

「ねえ、今度は何処なの?」

いい加減、うろついているのがそとから見えたら不審者で通報されたりしないだろうか。

「まあまあ、ちゃんと見つけてやって」

坂本は言葉を濁す。
あくまで全てのメモを回収させる気満々だ。
これ以上何を言っても無駄なのだろう、私は溜息を吐いて教卓の上にあるメモを回収した。

『図書室カウンター』

また特別教棟か……。
ガックリと肩を落としながらも教室を後にして、再び特別教棟へと逆戻りだ。

私は廊下を歩きながら、ふと廊下の窓ガラスに映る自分達の影を見た。

身長もいつの間にか頭一つ分位の差がある。
体格だって、私はあの頃より少し丸味を帯びているけれど、坂本は身長が伸びて今も身体を鍛えているのかガッシリとしている。
男女の体格の差をまざまざと感じる。

私のガラス越しの視線に気付かない坂本は、呑気に外の吹雪を見ながら明日の雪掻きの心配をしている。

図書室は私が三年の時に図書委員をしており、大好きだった場所だ。
坂本が鍵を開けて中に入った瞬間、沢山の本の独特の匂いに包まれてあの頃を再び思い出す。

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